Vercelの無料プランでサイトを公開していて、そこに広告やアフィリエイトのリンクを貼っている。
「これ、無料のままで大丈夫なのかな」と気になって、この記事にたどり着いた人もいると思います。

先に結論を書くと、大丈夫ではありませんでした。Vercelの無料プラン(Hobbyプラン)は、規約で「お金を稼ぐ目的には使わないでください」と決まっています。広告を貼った時点で当てはまります。

私は自分のサイトを4つVercelに置いていて、4つとも当てはまっていました。Vercelから警告が来る前に自分で気づいたので、止められる前にレンタルサーバー(ConoHa WING)へ全部移しました。
私はWebの専門家ではありません。この記事は、何がダメで何ならいいのか、移す先をどう選んだのか、移すときにどこでつまずいたのかを、順番に並べた記録です。


「無料でこんな都合のいい話あるかな」と思って規約を読んだ

Vercelは本当に便利です。コードを置けば数十秒でサイトが公開されて、独自ドメインもつながり、ここまで全部無料でできます。

ただ、使っているうちに、だんだん気になってきました。
無料でこんな都合のいい話あるかな、と。

広告を貼ったり、自分の作ったものを売るページへのリンクを置いたりし始めていたこともあって、一度ちゃんと調べることにしました。
規約を読んでみると、Vercelの公式ページ(Fair Use Guidelines)にはっきり書いてありました。

Hobby teams are restricted to non-commercial personal use only.

(Hobbyプランは、商用ではない個人利用に限ります)

続けて、「商用で使うならProかEnterpriseのプランが必要です」とも書かれています。

このときはまだ、Vercelから警告のメールは来ていませんでした。サイトもふつうに表示されていました。
つまり、何も言われていないからといって、問題がないわけではありません。向こうが気づいていないか、まだ順番が回ってきていないだけです。


無料プランでダメなこと・大丈夫なこと

規約には、「商用」に当たる例がいくつか挙がっています。かみ砕くと、次のようなものです。

  • 広告を貼っている(Googleアドセンスなど)
  • 何かを売るページへ誘導している(自分の商品・サービスの宣伝)
  • サイトで代金を受け取っている(訪問者からの支払い)
  • サイトの一番の目的がアフィリエイトリンク
  • お金をもらって、人のサイトを作ったり置いたりしている

いちばん引っかかりやすいのは、たぶん1つ目です。アクセスがほとんど無くても、収益が1円も出ていなくても、広告を貼っていること自体が例に挙がっています。

逆に、はっきり「大丈夫」と書かれているものが1つあります。寄付のお願いです。「よかったら支援してください」というリンクを置くのは、商用に当たらないそうです。

ちなみに私の4つのサイトは、こうでした。

  • 広告(アドセンス)を貼っていた … 1つ
  • 自分で作ったものを売るページへのリンクがあった … 3つ(1つは広告と重複)
  • アフィリエイト広告を貼っていた … 1つ

全滅です。どれか1つでも当てはまれば、無料プランのままでは使えません。

しかも、4つとも同じアカウントにまとめて置いていました。止められるとしたら、1つずつではなく全部まとめて止まるかもしれない作りでした。

自分のサイトが当てはまるか迷う場合は、Vercelのサポートに聞くように、と規約に書いてあります。


逃げ道は3つあった

当てはまっていると分かったら、やれることは3つです。

① Vercelの有料プラン(Pro)にする
月20ドルです。いちばん手間がかかりません。サイトは今のまま、何も触らずに済みます。
ただ、収益がまだほとんど出ていないサイトに、毎月3,000円ほどの固定費を足すことになります。

② Cloudflare Pagesへ移す
無料で使えます。公式の制限ページを見た限りでは、無料プランでも商用を禁じる決まりは書かれていませんでした。
お金をかけたくないなら、たぶんこれがいちばん安く済みます。実際、AIに相談したときに勧められたのもこれでした。

③ レンタルサーバーへ移す
月額料金がかかりますが、お金を払って借りる場所なので、広告を貼っても商用でも問題ありません。WordPressのブログも同じ契約で置けます。

私は③にしました。理由は、リベ大(リベラルアーツ大学)でおすすめされていたConoHa WINGだったからです。
ちょうどこのブログをWordPressで始めようとしていたところで、ConoHaと契約するつもりでした。それなら、Vercelの4つもまとめて同じ契約に載せてしまおう、と考えました。

正直に書くと、安さだけで比べるならCloudflareのほうが上です。ConoHaは私の契約(12ヶ月)で月970円かかります。
ただ、もともとブログ用に払うつもりのお金だったので、Vercelの4つを載せても追加の料金はかかりませんでした。

ひとつ注意があります。②と③は、Vercelでしか動かない仕組みを使っているサイトだと、そのままでは移せません。私のサイトも、移す前に少し作り直す必要がありました。そのとき何が起きたかは、次で書きます。


引っ越しでハマったこと

移す前の作り直しは、AIと一緒にやりました。Vercelの上でだけ動いていた部分(購入した人が入力するコードを確かめる仕組み)を、ConoHaでも動く形に書き直したくらいで、大きな問題はありませんでした。

ハマったのは、引っ越しの当日です。2つあります。

Vercelに入れておいた設定が、引っ越し先に付いてこなかった

Vercelには、サイトの外側に設定を入れておく場所があります。私はそこに、商品の購入ページのURLや、アドセンスのIDを入れていました。

ConoHaへ移すときは、自分のパソコンでサイトを組み立ててからアップロードします。このとき、Vercelに入れていた設定は、自分のパソコンには無いので、入らないまま組み上がります。しかもエラーが出ません。ふつうに完成したように見えます。

その結果、2つのことが起きました。

  • 有料の機能が、誰でも無料で使える状態になっていた。「購入ページのURLが無い=まだ販売していない」とサイトが判断して、全部の機能を開けてしまっていました。気づいて直すまで、数十分ほどこの状態でした
  • アドセンスのコードが、ページから全部消えていた。こちらは公開に切り替える前に気づいたので、実害はありませんでした

確かめ方は簡単です。移す前と移した後のページで、同じものが入っているかを見比べます。
ページを開いて右クリック →「ページのソースを表示」を選ぶと、英語と記号だらけの画面が出ます。そこでページ内検索(Ctrl+F)をして、アドセンスなら ca-pub 、販売ページなら購入先のアドレスを探します。移す前には見つかったのに、移した後に見つからなければ、設定が付いてきていません。

設定の順番を間違えて、サイトが開けなくなった

私はドメインの管理にCloudflareを使っています。引っ越しでは、Cloudflareで2つの設定を変えます。

  • サイトの行き先を、VercelからConoHaへ切り替える
  • 暗号化(https)の設定を、ConoHaに合わせた形に変える

AIの案内に従って、暗号化の設定を先に変えました。すると、まだ行き先がVercelのままだったので、Vercel側の設定とぶつかってしまい、ページが同じところをぐるぐる回り続けて開かなくなりました。サイト3つが、しばらく見られない状態になりました。

この2つは、同時に変えるのが正解でした。行き先を切り替えたら、すぐに暗号化の設定も変える。間を空けると、その間はサイトが開きません。
Cloudflareを使っていない場合は、この話は当てはまらないかもしれません。ただ、「設定を変える順番で、一時的にサイトが止まることがある」というのは、覚えておいて損はないと思います。


2ヶ月使ってみて

移してから2ヶ月ほど経ちました。困ったことは、何もありません。

表示が遅くなったと感じることもないし、更新の手間もほとんど変わっていません。サイトを直したら自分のパソコンで組み立てて、ConoHaへアップロードするだけです。アップロードは1回数秒で終わります。
Vercelのように「コードを置いたら勝手に公開される」便利さはなくなりましたが、毎回自分の手で上げるぶん、何を上げたかが分かりやすくなった気もします。

何より、「これ、規約的に大丈夫なのかな」と気にしながら広告を貼らなくてよくなりました。

なお、ConoHaでは別のところでつまずいています。このブログの無料SSL(https)が「設定中」のまま終わらなかった件は、ConoHa WINGの無料独自SSLが「設定中」のまま終わらないに書きました。ConoHaへ移す人は、あわせて読んでみてください。


まとめ

  • Vercelの無料プラン(Hobby)は、商用ではない個人利用だけと規約で決まっている
  • 広告を貼っている/販売ページへ誘導している/アフィリエイトが主目的なら、収益がゼロでも当てはまる。寄付のお願いは大丈夫
  • 警告が来ていないのは、問題がないという意味ではない
  • 逃げ道は3つ。Vercel Pro(月20ドル)/Cloudflare Pages(無料)/レンタルサーバー。私はリベ大おすすめのConoHa WINGにした
  • 移すときは、移す前と後でページのソースを見比べる。設定が付いてこなくても、エラーは出ない
  • Cloudflareを使っている場合、行き先の切り替えと暗号化の設定は同時に変える

まずは、自分のサイトに広告や販売ページへのリンクが入っていないか、一度見てみてください。当てはまっていたら、止められる前に、自分のペースで移せます。