パスワードの保存先を、1Password(ワンパスワード)というアプリにまとめました。
それまでは、GoogleとAppleの2か所に分かれて保存されていました。

乗り換えは、すんなりとはいきませんでした。
保存してあるパスワードを一気に移す「取り込み」が、うまくできなかったからです。
結局、よく使うものだけ先に手で移して、残りは使うときに1つずつ移すやり方に切り替えました。それでも、ちゃんと乗り換えられました。

私はセキュリティの専門家ではありません。
この記事は、取り込みでつまずいた私が、どうやって乗り換えたかの記録です。同じところで止まっている人の参考になればうれしいです。


前は、GoogleとAppleにパスワードを保存していた

私が使っている端末は4つあります。iPhone、Androidのスマホ、Mac、Windowsのパソコンです。
中心はApple製品で、そこにAndroidとWindowsが混ざっている、という使い方です。

パスワードは、GoogleとAppleがそれぞれ用意している保存機能に入れていました。
どちらも、ログインしたときに「このパスワードを保存しますか?」と聞いてくる、あの機能です。保存しておくと、次からは自動で入力してくれます。

困ったのは、Windowsで使うときでした。
Appleに保存したパスワードは、Windowsでは「拡張機能」を入れないと使えません。拡張機能とは、ブラウザ(ChromeやEdgeなど、ホームページを見るためのアプリ)にあとから足す、小さな追加機能のことです。

その拡張機能を入れてみたのですが、パスワードがうまく出てきませんでした。
私のやり方がまずかったのかもしれません。原因は、今も分かっていません。

ただ、ここで思いました。
端末によって、パスワードが出たり出なかったりするのは不便です。それなら、どの端末でも同じように使える保存先に、まとめてしまおうと考えました。


1Passwordを選んだ理由

1Passwordは、パスワードをしまっておく「金庫」のようなアプリです。
パスワードのほかに、クレジットカードの番号やパスキーも入れておけます。パスキーとは、パスワードの代わりに、指紋や顔、パソコンのPINでログインする方法のことです。

いちばん大きかったのは、私の4つの端末で全部使えることでした。
公式サイトを見ると、iPhone(iOS)、Android、Mac(macOS)、Windowsのどれにもアプリがあります。ChromeやEdgeなどのブラウザ用の拡張機能もそろっています。
GoogleとAppleのどちらかに寄せるのではなく、どちらの会社にも属さない保存先にまとめれば、端末を選ばずに済むと考えました。

もうひとつ背中を押したのが、「Appleの社員も1Passwordを使っているらしい」という話を聞いたことです。
自分の会社にも保存機能があるAppleの社員が使っているなら、よほどいいのだろうと思いました。

ただ、この記事を書くにあたって調べてみました。すると、Appleも1Passwordの会社も、公式にはそう発表していませんでした。
見つかったのは、2018年にアメリカのニュースサイトが「Appleが全社員に1Passwordを配る予定」と伝えた記事だけです。情報源は名前の出ていない関係者で、今も使っているのかは分かりません。

なので、この話は「うわさ」くらいに受け取ってください。私自身は、うわさとは関係なく、使ってみて満足しています。

注意点として、1Passwordは有料です。ずっと無料で使えるプランはありません。
そのかわり、14日間の無料体験があります。料金は値上げやキャンペーンで変わるので、申し込む前に公式サイトの料金ページで確認してください。


取り込みに失敗したので、手で移した

1Passwordには、ほかの保存先からパスワードをまとめて移す「取り込み」の機能があります。
私も最初はこれで一気に移すつもりでした。でも、うまくできませんでした。

そこで、やり方を変えました。全部をいっぺんに移すのをやめて、2回に分けました。

1. 毎日のように使うもの、銀行、証券会社は、先に手で移す
2. あまり使わないものは、次に使うときに1つずつ移す

1件移すときの手順

手で移すといっても、パスワードを打ち直すわけではありません。
いつも通りにログインすると、1Passwordが「保存しますか?」と聞いてくれます。それを使いました。

準備として、パソコンなら使っているブラウザに、1Passwordの拡張機能を入れておきます。

Amazonを例にすると、こうなります。

1. Amazonのログイン画面を開く
2. これまで通り、Appleのキーチェーン(Appleのパスワード保存機能)でパスワードを入れてログインする
3. ログインすると、1Passwordが「保存しますか?」と聞いてくる
4. 保存を押す

これで、Amazonのパスワードが1Passwordに入りました。次からは1Passwordから入力できます。

古い保存先が、移すときの「下書き」の役目をしてくれるわけです。パスワードを覚えていなくても、自分で打ち込まなくても移せます。

2回に分けてよかったこと

全部を移し終えるまで待たなくていいので、その日から1Passwordを使い始められます。
たまったパスワードを1日で全部片づけようとすると、たぶん途中で嫌になります。

あまり使わないサイトは、使う日が来たときに移すだけです。
1件あたり「保存」を1回押すだけなので、手間はほとんどかかりません。

先に移した銀行や証券会社は、お金に関わる場所です。
いちばん守りたいところから先に新しい金庫へ移せる、というのも、この順番のいいところだと思います。


移してよかったこと

どの端末でも、同じように使える

いちばん変わったのはここです。
iPhoneでも、Androidでも、MacでもWindowsでも、ストレスなく同じように使えています。
前のように「この端末ではパスワードが出てこない」ということがなくなりました。

パスキーも、どの端末でも使える

1Passwordには、パスキーも保存できます。
パスキーは、スマホやパソコンごとに登録するのが基本です。1Passwordに保存しておくと、ほかの端末からでも同じパスキーでログインできます。

パスキーそのものが何なのか、なぜ安全なのかは、こちらにまとめました。
パスキーとは?「セキュリティが強くなるの?」くらいの理解で、お金のサービスから登録してみた

私はGoogleアカウントをパスワードでは入れない設定にしていますが、普段のログインは1Passwordに入れたパスキーで済ませています。その話は、こちらの記事に書きました。

パスキー4件で締め出されない準備|Googleの「高度な保護機能」をオンにした話

クレジットカードも入れておける

私はクレジットカードの情報も1Passwordに入れています。
ネットで買い物をするとき、カードの番号を1Passwordから入力できます。

安心して任せられる

1Passwordは、自分で決める「アカウントパスワード」に加えて、Secret Key(シークレットキー)という鍵でデータを守っています。
Secret Keyは、アルファベットと数字が34文字並んだ長い鍵です。1Passwordを始めるときに自動で作られます。

公式の説明によると、この2つを組み合わせて、保存したデータに鍵をかけています。
Secret Keyは1Passwordの会社も持っていません。なので、もし1Passwordの会社が攻撃されても、それだけでは中身を読まれない仕組みになっています。

裏を返すと、アカウントパスワードとSecret Keyをなくすと、誰にも開けられなくなるということです。
始めるときに「Emergency Kit(緊急キット)」という、Secret Keyが書かれた書類を保存するように案内されます。印刷するなどして、なくさない場所にしまっておいてください。


まとめ

  • パスワードがGoogleとAppleに分かれていて、Windowsではうまく出てこなかった
  • どの端末でも使える保存先として、1Passwordにまとめた
  • 取り込みはうまくいかなかったが、ログインしたときの「保存しますか?」で1件ずつ移せた
  • よく使うもの・銀行・証券会社を先に移し、残りは使うときに移せば、その日から使い始められる
  • 有料だが、14日間の無料体験がある。Emergency Kitはなくさないように保管する

取り込みでつまずいても、乗り換えはあきらめなくて大丈夫です。
まずは、いちばんよく使うサイトに1回ログインして、「保存」を押してみてください。